「…コータローの家、駅の方なの?」

「ううん、バイト先がこっちの方なんだ。」

そっか、バイトしてるって言ってたよね。

「バイトはそのアクセ大丈夫なの?」

「ん?あぁ、バイトも部活も問題なし。」

そう言って、あたしにVサインをしてみせるコータロー……前に陸上部に入らない理由をアクセサリーだと言っていたから、なんとなく気になって……。

「そーなんだ。バイトって何してるの?」

「少し行ったとこにあるカラオケ屋。高校生だから10時までだけどね。今度来てよ。」

「…考えとく。」

だってこんなとこでカラオケなんかしたら、帰りが遅くなる。

「あ、駅が見えてきた。清田さんホントに後ろ乗らなくていいの?」

「…いい。もう着くし。」

乗せてもらうなら、最初から乗せてもらったよ。

ホントそうすれば良かった……汗もかいたし、化粧も崩れてるだろうし。