始まりは今から8年前の事・・・。
 「お母様ー・・・! お母様。」
 「何をしておる! 早くその者を連れて行け!」
 「お母様ー。」
 「あなたは生きるのよ! 何があっても、生き抜くのよ! ・・・」
 ・・・・・・
 その日、背者の后が飲む茶に、毒が盛られると言う大事件が起きた。そして、真っ先にその犯人となったのが!
娘を惜しくも背者の后候補から外された、桜田一族の者たちだった。当時選ばれた后がなくなれば、桜田一族の娘が后となっていた。そんな状況での事件だった故に、真相が明らかにされないまま桜田一族は犯人とされてこの世を去ってしまったのだと思う。
女子は、后候補から外された身ではあったが、背者の女人としての存在だった故、命だけは救われた。又、幼子だったが故に、大人の犯した罪を知らなかったとして!
王様がお慈悲をくださったと聞いている。
とはあれ。
正直、この事件には! 誰も知ってはならぬ・・・。知ろうとしてもならぬ! 隠された秘密が封印されているのだと思う。
知ろうとすれば、何かの悪夢に襲われるような雰囲気を漂わせながら・・・! 今も、宮殿のあの場所に!
桜田一族が死刑となる・・・。家族が死刑となり行く姿を、泣きながら見ていたあの女子の立っていたところに残されている。
 あの日、泣き崩れていた女子は、今! どこで、どう過ごしているのかは私にも分からない・・・。
無事でいて、元気でいてくれている事を願うばかりだ・・・。