パッと、後ろを振り返ってみると、

図書委員である

合田 早耶香〈ゴウダサヤカ〉さんが、

涙を浮かべながら膝をついていた。


「早耶香‥‥そのナイフ‥‥‥。」


合田さんの隣りにいた、

規律委員の若菜 千尋〈ワカナチヒロ〉さんが、

ナイフを見ながらそう呟いた。


‥‥ナイフ‥‥‥‥?


私は、合田さんの

膝下に落ちているナイフを見た。


すると―――‥‥


「‥‥赤い‥‥‥。」


そのナイフは、

鬼である印、赤色が示してあった―――‥‥。