走って行くのを視界がとらえると、私と璃衣奈は、スピードを落とした。 「はぁ……はぁ……。璃衣奈、ナイス……」 「はぁ……はぁ……。疾風が……単純…… だから……出来たこと……だよ……。」 璃衣奈は、息を切られながら、そう言葉を紡いだ。 向こうの方では、疾風と龍が大声を上げながら走り回っていて、それに混ざるようにして、拓海が笑いながら走っている。 「璃衣奈」 「うん」 「「今のうちに隠れよう」」