「…旬…旬…ごめんね…。」


眠りながらそう言って涙を
流している梨子に俺は耐え
れなくなる…。


「梨子!!」


そんな俺の声に梨子が
目を覚ました。


「…旬…!?…どうして…?」


梨子の目から次から次へと
涙が出て来る…。


俺はその涙を指で拭ってやる。


「おばさんから電話もらっ
たんだ…。
お前…何してんだよ…。
こんなに痩せて…。」


「旬…ごめんね…ごめんね。」


「もう…謝んなくていいから…。」


「うぅん。…私…旬の事すごく
傷付けたから…。
旬の気持ちに気付いてたのに
利用するような事して…。
私…始めは旬を傷付けた事の
重大さに気付かなかった。
本当に私ってバカだよ…。」


「………。」


「でも…旬が傍に居なくなって
私…始めて気付いたの旬の事
好きだって…。」


「えっ…。」


「私…旬の事が大好き…。」