彼の名は三宅徹。 二人の母親が仲が良いと言うこともあり私、萩原小百合と彼とは幼い時からの縁である。 「結構速く来んじゃんか」 切りが良かったようで、一旦練習を止めて隅に置いてあった水筒を口にする。 「どの口が言うか」 水分を飲んで動く喉を、思わず見つめてしまう。 体育館は窓が開けられ、朝の爽やかな風が吹き抜ける。