私は走って親友の元へ向かう。
そしてダイブ。


「ひろちゃーーーーん!!!!」


「うぉふ!」



盛大に噎せたひろちゃんは慌てて水を飲み、落ち着いたところで私を睨み付けた。



「殺す気?」




「ごめんなさい……」





反省してるよ。きっと。




彼女は如月千尋。
美人だから睨むと余計迫力あるんだよね、ひろちゃんって。




「で、なに?」





「それが……」





私はさっき見てしまったものと聞いてしまったものをひろちゃんに伝えた。




自分がストーカーよろしく盗み聞きしたことはさりげなく伏せたけども。




ひろちゃんは私が時雨を好きなの知ってるからいつも相談にのってくれるんだよね。




「ふーん。霜月君に好きな人ねぇ……」





「どーしよー、ひろちゃん」





ひろちゃんは意味ありげにこっちを見た。




「なに?」




「別に。なーんも?」




「落ち込んでる親友に対して態度が冷たくないデスカ?」




「そう?通常運転だけど」





確かにひろちゃんはいっつもこんな感じだけど。