「パパ……ごめんなさい……」
茉莉華ちゃんは、
泣きながら謝っていた。
茉莉華ちゃんが
父親に叱られている所だった。
「あなた。あれは、
茉莉華のせいではありませんし」
必死にフォローしようとする茉莉華のママ。
「張りぼてが落ちてきたのは、幼稚園の問題だが
それを途中で放棄するとか有りえないだろ!?
名門私立のお偉い方々が来てるというのに
無様な終わらせ方をしてお前には、失望した!」
茉莉華ちゃんのパパは、そう言ってきた。
自分の娘に失望したって
あんな言い方はないと思う。
茉莉華ちゃんが可哀想よ!
私は、一言言いたくなり行こうとする。
すると
睦月君が無言のまま茉莉華ちゃんの所に
行ってしまった。
「睦月君…!?」
慌てて声をかけるが睦月君は、
ハンカチを取り出して茉莉華ちゃんに渡した。
「…ひっく…睦月……くん?」
睦月君は、茉莉華ちゃんの頭をポンポンと
撫でながら
「茉莉華ちゃんが悪い訳ではないよ」
そう言ってあげた。
「な、何だ!?
この子は、藤崎さんの所の……。
まったく最近のガキは、行儀もへったくれもないな。
親は、何処に行ったんだ?」
不機嫌そうに言ってきた。
「睦月君……」
私は、睦月君の所に行こうとする。
すると先生が腕を掴み引き留めてきた。
「まだだ。アイツがどうするか見届けろ」
先生は、そう言ってきた。