「あの子ですよ。先生
話していた茉莉華ちゃんは…」

「ふーん」

先生に教えてあげるも興味なさそうに言う。

あら、反応が睦月君と一緒だわ。

すると王子様と馬の格好をした睦月君が現れた。
私が作った馬の衣装に馬のお面。

若干、王子様役の子より目立つ気がするけど

睦月君の台詞は、一言鳴くだけ。

もし言えなくてもいいように
先生が配慮してくれている。

馬らしく見えるように
何度も家で練習したし…大丈夫なはず。

頑張って!

白雪姫の茉莉華ちゃんが毒りんごを食べて
眠りについてしまった。

王子様のkissで目を覚ました白雪姫は、
王子様と結ばれる。

最後に馬の睦月君が鳴くと
音楽が流れ皆で歌って劇が終わるはずだった。

しかし茉莉華ちゃんが
立ち上がろうとした…その時。

張りぼての一部が外れ
茉莉華ちゃん目掛けて落ちてきた。

あ、危ない!!?

「キャアッ!?」

茉莉華ちゃんは、恐怖で目をつぶった。

しかし茉莉華ちゃんに張りぼてが
落ちる事はなかった。

何故なら睦月君が茉莉華ちゃんの前に立ち
張りぼてを押さえて庇ってくれたからだ。

睦月君…!?

すると睦月君は、
押さえた状態で茉莉華ちゃんに

「……大丈夫?怪我してない?」と言ってきた。

ボー然とする茉莉華ちゃん。

すると

「……カッコイイ……」と呟きだした。

えっ?