「オブラートに包んだ所で
調子に乗られたら敵わん。
まぁ、女が全てそんな奴だと
言っている訳じゃねーんだから文句を言うな」
先生は、そう言うと淹れたコーヒーとジュース
そしておやつのチョコケーキを
持って行ってしまう。
「先生…」
私は、慌てて追いかけた。
睦月君は、チョコケーキを受け取ると
夢中で食べ始めた。
すると先生は、コーヒーを飲みながら
「睦月。お前……今日謝ったらしいな?
何で謝った。
別にお前が言った訳ではないのだし
向こうが先に酷いを言ったんだから
謝らなくても良かっただろ?」
先生は、そう言った。
「………。」
食べていた手が止まる。
「睦月君……?」
私が名前を呼ぶと口を開いた。
「……もともとの喧嘩の原因が僕だし」
そう言ってきた。
睦月君……。
何だか胸が苦しくなった。
きっと複雑な気持ちなのだろう。
そうしたら先生は、
睦月君の頭をポンポンと撫でた。
「そうか…よくやれたな。偉いぞ」
優しい表情で褒めてあげていた。
どうにかして仲直り出来ないものだろうか?
結局。何も出来ないまま
お遊戯会になってしまった。
園児達のお遊戯発表の他に
お昼は、それぞれの園児の保護者が作って
振る舞うらしい。
参加者は、自由になっており
次の入園者の見学も兼ね備えていた。
ちなみにキリン組は、焼きそばを作るらしい。
準備だけ手伝うとステージ会場であるホールに入る。
たくさんの保護者達が我が子の発表を
見るために集まってきた。
「凄い人数ですね。
皆、保護者関係ばかりでしょうか?」