「うぜー。女は、泣けば何でも
許してくれると思うなよ!?」
拓馬君は、少し半べそになりながら
さらに言い返した。
「すみません。ウチの子が
本当に申し訳ありません」
拓馬君のママは、さらに必死に
頭を下げて謝罪する。
私は、それを見て唖然としていた。
これは、かなりの光景だ。
もともと睦月君と茉莉華ちゃんから起きた
出来事だったのに
いつの間にか大変な事になってしまった。
どうしよう……。
私も謝りに行った方がいいのだろうか?
あ、でも……私部外者だし
出て行ったら変かしら?
オロオロしながら悩んでいたら
睦月君が拓馬君達の所に向かって行ってしまう。
「睦月君!?」
慌てて止めようとするが、すでに遅かった。
睦月君は、拓馬君と茉莉華ちゃんのそばまで行く。
「睦月……?」
拓馬君が驚きながら名前を呼んだ。
すると茉莉華ちゃんの方を向くと頭を下げる。
「……ごめんなさい」と
えっ!?
私も茉莉華ちゃんのママや
拓馬君のママも驚いていた。
「睦月君……?」
茉莉華ちゃんのママが困惑した表情で言う。
すると
「拓馬は、僕のために怒ってくれたの。
だから許してあげて。僕が怒られるから」
そう言って拓馬君をかばってあげていた。
睦月君……。
「睦月……お前……」
拓馬君が驚いた表情で言う。
すると茉莉華ちゃんのママは、睦月君の
目線に合わせてしゃがんだ。