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「おはよう、未来ちゃん。」
私は事務所に出勤すると、一足先に来ていたセミロングの女の子に声をかけた。
「あっ、おはようございます!いつ見ても波瑠先輩は可愛いですね?!……あ、いや綺麗?!」
未来ちゃん、というのは、紛れもなく西園寺学院のプロデュース科の後輩だったあの未来ちゃんで、四年前から一緒にここでプロデューサーとして働いている。
「あははっ、私は別にどっちでもなく普通だからね?」
高校のときより可愛くなった彼女は、いろいろオシャレとかも楽しんでいるようだけど、やっぱりアイドルオタクであることはかわりないみたい。
「えーっ!波瑠先輩が普通だったら、ほとんどの女子がブスですよーっ!?」
「それはまずないから、ね?」
未来ちゃんは今でもpom flowerのプロデューサーとして第一線で活躍しているんだけど、高校のときより、他のユニットをプロデュースすることも多くなったみたい。