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午後9時。
私達はちゃっかりお風呂に入って晩御飯を食べて、あとは寝るだけの状態になった。
……もう夜、か……。
もうすぐ、優斗くんにあの事を言わなきゃいけない。
優斗くんに相談できるのは、気が少しでも楽にはなると思うけど、やっぱりあの事を口にするのはあまりしたくなかった。
「……あ、波瑠ちゃん……。」
暗くなった廊下に、優斗くんが立っていた。
「……優斗くん……。……話、聞いてくれる……?」
「うん……。」
私は優斗くんと、ホテルの部屋のベランダに出た。
少しの間の沈黙が、私にとってすごく怖かった。
「あのね……りょーちゃんが……留学するの……。still kingをおいて……。」
「えっ……?!まさか……演出家っていう夢を叶えるために……?」
優斗くんはりょーちゃんの夢を知っているようで、それでも心底驚いているようだった。
……そりゃ、驚くよね。
「うん……それで……りょーちゃんは……もう、日本には戻ってこないみたいでっ……。」