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「ねぇ、優斗くん、舞台裏……なんか騒がしくない?」
ステージの上を掃除していた僕と浩輝くんは、舞台裏が騒がしいことに気づく。
「うん、確かに……なんか悲鳴みたいなのが聞こえるよね?」
さっきから、舞台裏から悲鳴のようなものが聴こえて、誰かが叫んでいる気がする。
…舞台裏、行った方がいい気がするなぁ。
「行ってみよう!」
「うん!」
そうして僕と浩輝くんは、舞台裏に向かった。
舞台裏では血相が豹変した藤宮さんと、悲鳴や、やめなさい!と言っているスタッフさん数名がいた。
藤宮さんのまわりの床には、この世の中で一番赤いだろうと思われる血が散らばっている。