バタン!

りょーちゃんはステージ裏の入口のドアを勢いよく開ける。

ステージ裏にいたスタッフさんたちは、ドアを勢いよく開けて息が上がっているりょーちゃんをみて目を丸くさせている。

きっと私とりょーちゃんが手を繋いでいるから、という理由もあるかもしれないけど。

客席の方からは、黄色い歓声が上がっている。
ステージの上ではまだstar - meicarの皆がパフォーマンスを披露しているんだろう、スタッフさんたちはステージの方を気にしていた。


「お前ら、どうした?まだstill kingの出番じゃないぞ?」


スタッフさん同士がしゃべっている輪の中から、直山先生が私達の方へと来た。


「そんなことぐらいわかってるよ、先生。……あと何分でstar - meicarのパフォーマンスは終わる?」


りょーちゃんはタメ口で淡々と直山先生にstar - meicarのパフォーマンスが終わる時間を聞いた。
でも私はそんなことよりもstar - meicarのステージの方を気にして、ずっと観ていた。