それから、しばらくして王立病院前でのパーティーが行われた。

オーレアは決戦前のパーティー、毒消しや多種薬草と回復魔法の連携など短期間での回復の向上技を喜び、マリカの功績を称えた。


そして引き続き、マリカを自分の養女とし、スウェルとの婚約を発表した。


「あ・・の・・・オーレア?
スウェルと婚約なんて、私まだ・・・何もきいていません。
だいたい、スウェルだって驚いてると思うし。」


「それは大丈夫だよ。」


「マリカ、俺はちゃんと正式に受けたんだよ。
オーレアから話してもらっていたんだ。」



「うそっ!いつの間に?」


「僕たちが魔法使いだというのはわかってるだろう?
いつでも、どこでも・・・さ。」


オーレアがにっこり笑ってウインクしたのに、マリカは文句を言おうと思った言葉も飲み込んでしまい、はずかしそうに笑ってしまった。


「もう、それじゃどっちが私のフィアンセなのかわかんなくなっちゃうじゃない!」


「ま、マリカ!まさか・・・オーレアが年老いていてもいいなんて言い出すんじゃないだろうね。」


「ステキなのはステキだもん!
最高にセクシーなパパになってもらうんだから。

スウェルだってほんとはまわりが縁談ばかりもってくるからうるさいから私と婚約するんじゃないでしょうね。」



「それもちょっとあるかも・・・あはは。
嘘だぞ!俺は、俺は!初めて会ったときから、君が気になって仕方がなかったし、オーレアの家に移ってしまって、マジでさびしかったんだからな。」


「奴隷の私でも・・・?」


「奴隷だとか貴族だからとか関係ない。
それに、戦争でのやむおえない結果はだんだん薄れてきているだろ。

そんなことを言ってる場合じゃないところまで、きているんだからな。
だからこそ・・・君といっしょに居たいんだ。
朝稽古するだけなんて、もう限界だった。

ずっと、俺のそばにいてほしいと思ったんだ。」


オーレアはスッと王宮関係者に会いにいってくるといって、その場を後にした。


スウェルとマリカはその後ダンスを楽しんで、スウェルの家・・・つまりマリカの住んでいた家にもどった。



「私の部屋・・・そのままにしておいてくれたの?」


「ああ、いつ帰ってきてくれてもいいようにね。
あ、もちろん、結婚したら同じ寝室になるんだ。
わかってるだろうね。」


「う、うん。私の部屋は新しい子ども部屋にするわ。
なんて・・・ちょっと早いかしら。」


「いいや、いい案だと思う・・・でも。」


「でも?」


「ふと思ったんだけど、俺が昇進したらもっと大きな邸に住むことになるかもなぁ・・・て思ってさ。
そのときは・・・マリカの部屋だけ持っていくか?」


「そんなことできるの?」


「できるさ。俺はオーレアの弟子で優秀なんだぞ。
内装だけはがして、新しい家にくっつける。
それじゃ、ダメかな?」


「ううん。すごくいいと思う。
なんか急に夢みたいな1日だったわ。
明日になったらすべて消えちゃったりして。」


「消えたりはしないさ。」