そしてさらに、わたしの心をえぐる、もうひとつの声。
「……こんにちは、結羽、ちゃん？ あたし楓っていいます」
篠田先輩の斜め後ろにいた、ウェービーなロングヘアを耳の下でひとつにくくった綺麗なひと。
背も高くて、とても華やかで、顔立ちも整っていて。
人工的とは思えない茶髪が、きらきらと太陽に照らされて輝いている。
……笑えてくる。
わたし、周り見えてなさすぎだ。
いくらなんでも……彼女さんの目の前で告白しちゃうなんて。
しかも……こんなに綺麗な…………
…………そう思っていると、目の前が一瞬真っ暗になって、
耳鳴りもしだして、頭が痛くてしゃがみたくなった。
ふらふらと地球が傾くようにも感じる。
