そして、それは突然だった。 高槻くんが、その布団からゆうひさんの手が出ているのに気が付いて、 その手を、さっきの侑心くんとは明らかに違う愛しさを見せながら握った。 そのとき。 ゆうひさんの長いまつげが震えた。 手を握っていた高槻くんが、驚いたようにその手を見た。 高槻くんのその手は、細い指でそっと握り返されていて、 柔らかく開かれたその瞳は、まっすぐに彼を見つめていて。 「……あきくん」 静かに、彼の名前を呼んだ。