だけども彼女は、びくついたわたしとは対照的に。



「それでは第一問! 問題です」



おどけたテンションでそう言ってみせた。


突然の声につい驚いて、ごめんごめんとなだめられてしまう。




だけどその内容は、わたしをひやりとさせるもので。




「今から約1か月前、あたしと結羽ちゃんが初めて会った日の次の日。確か、水曜日。
 結羽ちゃんはその日の放課後、いったいどこで何をしていたでしょーか?」





1か月前……初めて会った日……?


反射的に記憶を呼び覚ます。



確かその日は、篠田先輩に改めて気持ちを伝えに行って、そして……。




その次の行動を思い出して、はっとした。


冷や汗みたいなものも感じられた。


どくんどくんと脈打っているのも感じられる。