「どうされたんですか? 何か連絡でも……? 中夜祭は、」



楓さんは特に何も支障なくフィーリングカップルのイベントに参加できるはずなのに。


相方さんと一緒にいなくていいのだろうか。




「あぁ、フィーリングカップルのイベントは相手を探すのが醍醐味だから! 残念ながらあたし相手を見つけれれなかったんだよ、ずっと仕事してたせいだろうけど」



そう笑って、近くの椅子を引っ張り出して座る楓さん。


そしてもう一脚引っ張って、どうぞ座って、と言ってくれる。


なんだろう、と少し怯えながらも座った。



「し、失礼します……」


「あは、そんなこわがんなくていいよ」




ただ話はあるんだけどね、と彼女。



……話。


なんだろう。


それは突然消えてしまった彼に関する話だろうか。