それにしても屋上、か、一番に探したんだけどいなかったんだよな。


でも屋上にもわたしの絵が展示されていて、恥ずかしくなってすぐに下りてきてしまったから見落としてしまったかもしれない。




それに3年生の先輩……って誰だろう。


屋上、というワードからか、楓さんが思い浮かんだけれど、そうだろうか。



「そうですか、ありがとうございます」


「いえいえっ! あたしこそありがとう!」



そう言ってまたサイドテールを揺らしながら去っていってしまった彼女。


屋上か、と思い直したそのとき。




「佐久間さん! 大丈夫?」



後ろから声をかけられた。


振り返ると、ショートヘアの少し頼りない顔をした女性。



「……近森先生」


「お疲れ様! 大変でしょ、無理してない?」