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入学式は凄く長い。眠い。健太くんなんて1列目なのに思いっきり寝てた。

ー以上で平成○○年、朝日奈高等学校の入学式を終わります。

やっと…終わったー!!!そして、教室はまたザワザワと騒がしくなる。

「お疲れー!あたし、半寝だったー!」

夏希ちゃんも寝ちゃったんだ。

「なに寝てんだよ、全く。あ、後ろから聞こえたアレ、夏希のイビキか?」

「なっ!翔平!?ほんっとデリカシー無い!サイッテー!」

ワァワァと口喧嘩を始める2人。

「また始まった。夫婦喧嘩。」

呆れたように言う健太くん。

「2人は付き合ってるの?」

思い切って健太くんに聞いてみる。

「いや?両思いなのバレバレなのになー。」

2人に聞こえないようにヒソヒソと話す。

「なんだ。てっきりそうゆうのかと。」

本当だよなー、と2人を見つめる健太くん。ひと通り喧嘩も終わったみたい。

「…あ、そういえば健太くんも寝ちゃってたでしょ。」

ニヤッとしながら言った。

「えっ!いや、…うん。」

恥ずかしそうにそっぽを向く健太くん。

「なんだぁー、健太も寝たんじゃん!あたしだけじゃないじゃーん!」

「夏希ちゃん。だからって寝ちゃダメだよ?確かに眠いけど。」

上目遣いで夏希ちゃんを見つめる。

「あぁっ!もぅ!可愛い〜っ!!」

夏希ちゃんにまたまた抱きしめられる。すると、ペイっと翔平くんに剥がされた。

「…あのー、お話し中悪いんですが…」

声をかけてきたのは、真面目そうな感じの子。

「先輩が呼んでます。天寺さんの事。確か…向井先輩…?」