そして、学校についた。
正直何を話したかなんて覚えてない。

「えっと、新入生はコッチで受け付けね。」

「はい。あのっ!先輩…色々ありがとうございました。」

今、自分ができる精一杯の笑顔で言った。

「え…あ、うん!俺、楽しかった!じゃあまたねー」

わずかに先輩の頬が紅く染まる。

手を振って先輩を見送り、受け付けを済ませる。

「あ、私…B組だ。」

中学が同じだった人たちもチラホラいるけど、みんな違うクラスだ。

私は自分のクラスへ向かった。

ガラッ!

うわっ、このドアめっちゃ音すごい…みんなの視線が私に向けられる。平然に平然に…座席を確認し、自分の席に向かう。

「うわぁ…めっちゃ可愛くない?」

「あの子って、天寺永久?ほら、読モの。」

「うっそ!マジで!?超ついてるじゃん!」

そんな声が聞こえた。大丈夫、できそう…!出席番号は1番。だから、席も1番前。

後ろの席の人に声かけてみようかな…なんて思っていた最中、なんと向こうから声をかけてきた。

「ねぇ、君って読モの永久ちゃん?」

キラキラした目で見つめてくる。

「…えぇっと、ぅん…。」

人差し指を口にあて微笑んだ。

「あっ!ごめんなー!俺、伊藤建太。よろしくー!」

ニッ!と眩しい笑顔を向けられる。

「うんっ!えっと、伊…藤くん?」

男の子の友達ができちゃうなんて…嬉しいなぁ~!

「えー!永久ちゃん、俺の事建太ってよんでよーっ!」

と、永久…うわぁ、なんだか恥ずかしい…////名前呼びは私の憧れ。

「け、んた…くん…?」

きっと真っ赤なんだろうな。

「そうそう!真っ赤だなぁー!可愛い〜!!」

そう言いながら頭をわしゃわしゃされた。こうされるのは、嫌じゃない。