「そうなの?」





「そ。ベテランからひとこと言わせてもらうと、もう眠ったほうがいい。目がくっついちゃいそうなほど眠たそうだよ」





確かに、瞼は重く、頭もまわらない。





病室は薄暗くて、しんとしている。





真夜中なのだろう。






懐中電灯の光だけが、わたしと看護士さんを、ぼんやりと照らしだしている。





「もう寝る」



「うん、いい子」



「おやすみなさい」






そう言った途端、急激な睡魔がわたしを襲ってきた。





もう、目を開けていることはできなかった。