早退したんだから
真っ直ぐ家に帰るものだと思っていたから。
学校を出てから一旦桐生くんの自宅へ行ってみたけど。
インターフォンを押しても出て来ないし。
桐生くんの自宅を離れて街へ探しに出て見つけた。
「桐生くん。どこに行くの?」
「…別にどこだって良いじゃないですか」
「あたしも一緒に行っても良い?」
「駄目です。
さあ、キミは早く家に帰りなさい。
それか学校に戻りなさい。
キミは真面目に授業を受けるべきです」
授業。
その単語は聞きたくない。
勉強とか成績って言う単語も。
あたしが大嫌いな単語。
「嫌だ。
お勉強嫌いだもん」
「何駄々をこねているんですか。
キミは僕と違って頭が悪いんですから。
せめて授業ぐらいは真面目に受けなさい」
確かに桐生くんは頭が良い。
まぁ頭良さそうな見た目しているけど。
授業に真面目に出ないでサボってばかりいるのに。
定期テストでは軽々と1位を取ってしまう。
しかも全教科満点と言う偉業を成し遂げている。