「そういえばセイくん」
「何です?」
「どうしてふたつ、セイくん宛ての誕生日プレを宮口さんは持ってきたの?」
リビングに戻ってきたあたしたち。
あたしはテーブルに置きっぱなしになっていた万年筆が入った箱と、商品券が入った細長い封筒を見て疑問に思う。
「宮口さんがふたつもくれたの?」
「……さぁ?」
「普通誕生日プレは1人で1個だよね?
片方が宮口さんで、もう片方は誰からなんだろうね?」
「興味ありませんね」
「…もしかして、おじちゃんから?」
「ッゲホゲホッ!」
あたしの言葉に、お茶を飲んでいたセイくんがむせた。
…何だか前より感情豊かになったみたい。
「だって宮口さんっておじちゃんの秘書なんでしょ?
おじちゃんからプレゼントを預かるって出来るでしょ?」
「…あの人が僕に送るなんて…信じられませんけどね」
「セイくん、まだおじちゃんのことあの人って言うんだね」
良い加減お父さんって呼べば良いのに。
あ、セイくんはお父様か。