「ねぇ悠ちゃん、今あたしたちのことを見てるのは、あの青白い月だけね」

悠ちゃんはあたしの言葉に空を見上げて、ふっと笑った。

「じゃあ俺は、あの月に願いを乗せるよ」


だって、アメリカからでもあの月は見えるんだ。

寂しくなったら、なつみ、空を見上げて月を探せ。

俺はいつも、あの月を通して、お前の幸せを祈ってるから。



彼の途方のない優しさに、あたしはこれからも包まれていくんだと。

ようやく、彼がどれほどあたしを思っていてくれているのかを実感した。