あの耳を突き刺す

エンジン音を聴くたび

艶やかに光る

真っ黒なバイクを目にするたび

そのたびごとに

あたしは想い出すのだろう


残酷なまでに愛おしい存在を

振り返らずに走り去った背中を


そうしてまた胸を

痛めるのだろう

ひとりで涙を

流すのだろう






・・・・・VOL.1 月の涙・・・・・