物心ついた頃からいっしょにいて、お互いの家をまるで我が家かのように行き来する仲。

共に修行する中で、由羅にとって颯は“兄弟”のような存在だった。


しかし、そんな颯の大きな手。

男らしいゴツゴツした手のひらに、太い腕。


“兄弟”と思っていたのは、由羅だけ。


颯は、ずっと前から由羅のことが好きだったのだ。



「…とにかく、お前が銃に撃たれなくてよかったよ」