颯の意外な答えに、あのときの由羅は聞き返すことしかできなかった。


“なっ…、なぜ颯にわかる…!?まさか颯も、好きになった者がいたのか?”

“まぁな。こう見えて、色男なものでっ”


と、颯は冗談交じりで言っていたが…。



「まさか…、颯…お前、私のことを……」

「…気づくの遅ぇよ」


颯は、ようやく上げた手を由羅の頭に乗せる。


今まで颯を、“男”として見たことがなかった由羅。