坂口さんが事務所の方に行くと、颯斗が突然笑い出した。

…颯斗、大丈夫かな?

ぜんっぜん変装してないし。

夢の国だし、ここに来てる人達は他の人のことなんて気にしないとは思うけど…


「じゃー、行くぞ!」

「ふふっ、うん!」


颯斗に手を掴まれて、走って連れていかれる。

いつも屋上に連れて行かれるみたいに。

颯斗はとっても笑顔で。


この笑顔をずーっと見ていられると思ってた。

夢の時間はあっという間で…

この時は自分たちの未来がどうなってるかなんて何も気にしてなかった。


ただただ、幸せな時間が続くと思ってた。