「はぁ…っ、はあっ…、はぁ…っ…」

こんなに屋上って遠かった…?

さっきからずっと走ってるのに全然屋上に辿り着かない…


「もう…お前どんだけ遅いんだよ。」


誰かがそう言って、あたしの手を握って…誰かさんみたいにあたしを引っ張って行く。

ううん…誰かなんて分かってる。

あたしが会いたくて声が聞きたくてたまらなかった大好きな人…

「颯斗..!」


最初はこんな風に手を握られて引っ張って連れていかれるのがすごく嫌だった。

でもいつからかな…?

こんな風に手を握られて引っ張って連れていかれるのが嬉しくなってた。