私は何も言わず病室から出ていった。

泣いていた私をみきは優しく抱きしめた。

そして次の日から私はこうきに記憶を取り戻して欲しいと思い、昔からの写真や思い出を話すことにした。

「こうき〜、お見舞い来たよ〜」

「あ、昨日の…ありがとうございます」

「もう、敬語は禁止」

私は明るくこうきに声かけた。

「今日はね、あたしの宝物を持ってきた」

「宝物?いいんですか?俺なんかに見せて」

「はい、敬語禁止だってば!」

「あ、すみま…ご、ごめん」

「よろしい」