だん、という鈍い音と共にグキッと痛々しい音が教室に響く。






「ってぇーな‼︎何すんだよテメェ‼︎」






案の定ブチ切れだそいつは、立ち上がって女の胸ぐらを掴む。





しかし女は動じることなく、冷ややかな目を男に向けていた。







「あら、ごめんなさい。うっかりつまづいちゃって」






いや、絶対ワザとだろ。





しかし彼女はただ冷ややかに男を見つめ、そして微かに笑みを浮かべたのだ。






その不気味な笑みに、男が怯むのが見て取れた。





なんだ、あの女……物を言わせないような、あの気迫は。






「チッ…次やったら覚えとけよ‼︎」






完全に気迫で負けた男が捨て台詞を吐いてその手を離す。






すると、女は何事も無かったように自分の席についた。