クラスの男共の視線を集めたまま、女は自分の席へ向かう。






そこで初めて、俺は隣の席が空いていることに気づいた。





まさかこいつ…俺の隣かよ。







どうやらそのまさかだったようで、そいつはこっちへ向かって歩いてくる。








乱れた机と机の、狭い通路をその女が通ろうとしていた時だった。






前に座った奴が、女の足を引っ掻けようと通路に足を伸ばしたのだ。







周りの奴らも気付いた様子で、ニヤニヤと女の行動を観察する。






ったく…くだらねぇ奴等だな。







女は澄ました顔のまま、狭い通路を歩く。





そしてその足が男の足に引っ掛かりそうになったとき…






彼女はぴたりと足を止めたのだ。






そして、全員が息を飲んだ次の瞬間。






女は容赦なく、その男の足を踏みつけたのだ。