駅から自宅までの帰り道、僕は自分の体が自分のモノでは無いような無感覚に襲われた。

うまく歩けないのだ。

気分がフワフワしている。
ただこのフワフワは心地よいものではなく、心地よいとは程遠い心もとなさを感じていた。

まるで、僕の部屋にある地球儀の上を歩いているみたいに、おぼつかなくて、どこを歩いているのか、皆目見当が付かない。ここはどこだ。東も西も、北か南かさえもわからない。

こんな地球儀、意味ないよ。


部屋に戻って電気を点けると、明るくなるのと同時に疲れがどっと肩にのしかかった。