「今日は待たせっちゃってゴメンね。仕事が長引いちゃって。これでもまだマシな方なのよ。12時を回ることだってしょっちゅうあるんだから。」

高校を卒業後、君は東京の有名私立に進学した。

僕も君と同じ東京の大学に進もうとしたが、センター試験の成績が振るわず、結果、大阪の大学に入学することとなった。

君は大学を卒業後、大手出版社に入社、春から大阪勤務が決まった。

本当は大阪に来てすぐに連絡するつもりだったが、忙しくて結局夏が来てしまった。相変わらず多忙の毎日だが、最近は仕事にも慣れ、だいぶ余裕も出てきたし、今度雑誌の特集を任されていて上司から信頼もされ始めた。職場の雰囲気も好きだし、今の仕事をすごく気に入っている。

ところであなたはどうするの、と君は言った。