「私は金曜日に生まれたんよ」

昔、大好きなおじいちゃんが大切にしていた壺を、買ってもらったばかりの少年用バットで上から叩き割ったように(なぜかはまだ思い出せない)、僕の中の有機物と呼ぶものは大きな破片に、無機物だと思うものは小さな破片に砕いて割ったのは君のその一言だったことをようやく思い出した。

答えをくれたのは君だった。

さっきの過去はどうでもいい過去ではなかった。記憶の流れもまんざらでもないと僕の脳を誉めてやりたい。