他人の誕生日を聞くのが病的に好きだった。



約5年前、誰かしらを捕まえては、あんたの生まれた日は何年何月で名前や性格とどんな関係がるのか、星座は、干支は、と聞いて回った時期があった。


「春に生まれたから春華」

「昭和60年生まれ」

「丑年」



誰もが腹を好かせている凶暴な生き物のように如何なる躊躇もなく僕の質問に答えてくれたたが、僕の聞きたい答えを教えてくれる人はいなかった。

その繰り返しに憂鬱を覚え、感謝は一切しなかった。
その状態が続くことが僕にとってよくなかったことを思考させてくれたことには感謝したが、それだけのことであってそれ以上でも以下でもない。

つまりは昔のことなのでよく覚えていないのが正直なとこだ。


どうでもいい過去を思い出した。