「ね- 悪かったって」



後ろから彼の声が聞こえる。

馬鹿にされた私は早足で歩いてるのに
彼との距離は広がらない。

むしろ縮まってる??


そんなことにすら腹が立つ。


「…じゃ そのままでいいから聞いて??」






「今日って終業式じゃなかった??」



…ッッ!!

そうだった。
私 寝坊してた。


それなのに こんな人に振り回されて
歩いてる場合じゃなかった。


「…今 何分??」


家が校区内の私は時計を持ってない。

本当はこんな人には聞きたくない。

だけど今 私の周りで
時間がわかりそうなのは
彼しかいないんだもん。



「今?? 8時27分」



「…遅刻だ」


終業式は20分から。