「こんな所に
こんなのあったんだ?」

「……」

「言ったでしょ?
安全だって」

ガチャ

ガラガラ

「うわっ
…ソファーとベッドと机と
キッチンと冷蔵庫と
本棚とシャワー室
あと何かいっぱい」

「ここで住めるじゃん」

「座れば?」

「あぁ」

「もとからあったのか?」

「そんなわけないじゃん
全部買って持ってきた」

「すげぇな~」

「別に」

「何してるんだ?」

「お客様用のお茶用意」

「そんなの良いって」

「もう遅い」

「……遠慮なくいただきます」

「……(コクッ」

「うまい」

「……携帯見ないの?」

「あっ忘れてた」

「読み終わったら言って」

「分かった」

今どういう状況か
もう一度確認しないと
いけませんね

とうとう動き出しましたか
遅かったですね

まぁ予想内でしたが

あの日から
数ヶ月が経ちましたからね

あの人達は刑務所の
中だからといって
安心は出来ません

あの人達なら脱獄なんて
軽いものです

それでも脱獄しなかった理由は
数ヶ月経ったら警戒をしないと
思っていると思うんです

少なくとも自分が警戒してる
事はあの人達も分かっています

人間というのは
警戒すべき人間が
何もせずに数ヶ月を過ごした事で
少し気を緩めてしまう事
があります

一応あれでも人の上に
立った人達です

数ヶ月は何もしないと
自分が思ったんです

ですからその為の
準備を数ヶ月の間してきました

「盛川さん!」

「………っ…何?」

「どういう事か
説明してくれないか?」

「説明ってそのままなのに
何を説明したらいいわけ?」

「何でお前の名前があるんだ?」

「それは私が
そこに載ってる人達全員
知り合いだから
……この前も言ったでしょ?」

「全員?」

「そう
白鳥 春 保志 永 黒沼 馨
結城 沙希 8人グループ
その親 警察庁 警視総監
桜川 黒白 荒井 瞬 佐江 渚
全員私の知ってる人
もちろん知らない情報はない」

「ならなんで警察に」

「……警察?
それじゃあ面白くない」

「……面白い?」

「面白くないと楽しくない」

「お前は楽しんでんのか?」

「そうだけど?」

「最低だな」

「私が最低じゃなかったら
世の中終わってるよ」

「何で……」

「お前は結城 沙希と
友達になれたんだ?
……でしょ?」

「あぁ」

「それは私も知らない」

「は?」

「いつの間にか
側にいた」

「どういうこと?」

「私が何かを
するときもずっと
隣にいた
…理由は知らないけど」

彼女が今でも忘れられません

「だけど二つだけ知ってる」

「…側にいた理由?」

「一つ私のことが好きだから」

「………」

「…そう言われたのか?」

「そうだけど?
二つ私を尊敬してるから」

「………」

「…そう言われたのか?」

「そうだけど?」

「…どこを尊敬したんだ」

「さあね」

「…沙希の入院してる
病院どこか知ってるのか?」

「どっちだと思う?」

「…なにが?」

「生きてるか…死んでるか」

「…っ…」

「生きてたら嬉しい」

「…そう」

「…………」

「………」