「まあその顔見れたし、教室戻るか」
なんだそれ。
マジやめてくれ。
心臓に悪い。
「嫌いです」
私は思いっきり山木くんを睨みつけて言った。
「うん、知ってる。でも残念、俺は西宮さんの事好きなんだよね」
意地悪く笑う山木くん。
うん、やっぱ嫌いだ。
周りを見ればクラスの子たちがざわついていた。
あぁ、こういう事になるから嫌なのに。
「じゃあまたね、西宮さん」
そう言って山木くんは教室を出て行った。
再び教室に沈黙が戻る。
はぁ。
一体どうしてくれるんだ、この空気。
私は誰にも気付かれないように、小さなため息をついた。