だから嫌なんだ。




山木くんみたいな人が私を好きになるのはおかしい。





なんでよりにもよって私なんだよ。





はぁ。



いっきに教室の空気が重たくなったが、私はいつもの事なので、平気で自分の席につく。





もう、慣れっこだ。こんなの。







もともと、友達なんてそんなにいないし。







「おはよ、西宮さん」





こんな空気の中、空気の読めない男が私に話しかけてきた。






ていうか、お前は隣のクラスだろうが。


なんでここにいるんじゃ。






「無視はよくないねー、西宮さん」






じゃあ話しかけんなよ。






「俺わざわざ隣の教室まで来たのになぁ。西宮さんのために」





そう言っていつも間にか私の目の前にいた山木くんは私の髪の毛をスルッと綺麗になぞった。





「っ!?な、なにするんですか!」





や、やばい。




顔が…。熱い…。





「そんな照れなくてもいーんじゃん?」







「照れてない!!!」







やっぱり大嫌いっ!!