「おい西宮てめぇ!!」
さっきとは打って変わって、口も悪ければ顔もヒドイ事になっている笹野さんが私に殴りかかって来そうになった。
「ちょいちょい!そこまでそこまで!」
笹野さんがすぐそばまで来た時、そんな声が私を救ってくれた。
「おかだぁ?」
笹野さんは私を救ってくれた天使にそう言った。
「何があったのか分かんないけど、とりあえず笹野さんは職員室まで来てもらいますよ」
私を救ってくれた天使、岡田先生はそう言って笹野さんの事を職員室まで連れて行った。
岡田先生。この人、実は私の兄のお嫁さんで、何かと私を助けてくれる。
お嫁さんと言っても実際は入籍はまだらしいけど。
でもうちの家で暮らしている。
「岡田先生、ありがと」
「麻里ちゃんも、お家でお説教だからね」
や、やっぱりですか。
でもそう言った岡田先生の顔は笑っていて、声も物凄く優しい。
2人が出て行った教室は物凄く静かになった。
私にはいわゆる友達がいない。
それもきっと、山木くんのせいだ。
山木くんを避けているおかげで私はめちゃくちゃ学校の女子から嫌われている。