「でも、その相手が俺であって欲しいなって思うんだけど」
「は」
そう言った時にはもう遅かった。
1メートルくらい離れてたはずの山木くんが私の腕をグイッと引っ張った。
あっという間に私と山木くんの距離はほんの20センチ程になった。
ち、近い!
だから!こーゆーのダメなんだってば!
どうすればいいか分からずうつむいてると、両頬を山木くんにつままれた。
「いひゃいんへうけほ」(痛いんですけど)
私は反射的に顔をあげた。
目の前には山木くんの顔。
ち、近いってばぁあ!!
離れようにも頬つままれてるし、なんかビックリしすぎて足動かんし。
「俺、西宮さんの初恋奪いたいな」
「はぁ??」
「あ、顔赤い」
「あはくない!」(赤くない!)
てか早く離せや。
まじ、まじで。
ドクドクっバクバクっ
なんだこれ。
心臓まじうるさい。
顔が熱い。耳がジンジンする。
鼓動が早まる。