その日の放課後、私はやっぱり山木くんに捕まった。
「西宮さん、一緒に帰らない?」
「無理」
「なんで」
「嫌だから」
なんとなく心が痛くなった。
今更生まれる罪悪感。
いや、ホント今更すぎるわ。
なんで申し訳ないとか思っちゃってんの。
「いーじゃん」
「……まあ、途中までなら」
馬鹿だ。
馬鹿すぎる、私。
「え、珍しい」
そう言った山木くんの顔はなんだか悪巧みしているヤクザ並みに不敵な笑みを浮かべていた。
なんなんだ、こいつは。
なんだか私がまんまと罠にはまったみたいじゃないか。
「やっぱなし」
「取り消しとかないから」
デスヨネー。
はあ、馬鹿すぎる。
なんで。
こんな奴と一緒に帰るなんて。
私のばかぁ!