君と私の身長差は20センチぐらいあって、簡単に腕の中に閉じ込められたのは当たり前だっ
た。
「羅未…ありがとう…言ってくれて…。」
君がポツリポツリと言葉を発する。
「羅未が俺の机に言ってくれた言葉、最初は他の奴の机と間違えたと思ったんだ。」
「そんなことない!……そんなことあるわけないよ…。」
君の言葉に思わず否定の言葉を言いながら、後ろを振り向いた。
至近距離で目が合ってしまい、二回目の否定の言葉は君に届くか分からないくらいの微かな声
になってしまったけれど。
だけどちゃんと言った。違う、と。私は君が好きだよ、という気持ちをこめて。
すると君はフッというように微笑んだ。
「…ありがとう…本当にありがとう…。羅未、俺も好き。大好き。愛してる。」
君は言葉を口にしながら私をぎゅっと抱きしめた。
「…う…そ……。」
「嘘じゃない。」
私がとっさに言った疑問の言葉もすぐに否定されて、何も言えなくなった。