「羅未……俺のこと、好き?」
ドクンッ。時が止まったかと思った。
違うって言わなきゃ…違うって言わなきゃ嫌われちゃう…。
「ち…「羅未。」
私の否定の言葉を遮って私の名を呼ぶ君の声。
そして俯いていた私の顔を覗き込んでもう一度…
「羅未、俺のこと、好き?」
やめてほしい。そんな優しい声で私のことを呼ぶのは。勘違いしそうになる。
違うと言おうとしたのに私の口から出たのは違う言葉で…
「す……き、好きだよばか……な…んで言わせんのさ……。」
「…………。」
泣きながら告白とか…ばかは自分じゃん…。
なんて冷静になってきた頭がぽつりと言う。
「………。」
「………。」
沈黙が辛くて逃げてしまおうと思い、くるりと回って走り出そうとしたときだった。
「逃げるなよ…。俺の話聞けっての…。」
後ろから右手を引かれて、君の腕の中に閉じ込められた。