翌朝、ストライプのシャツをまだ眠っている優輔の枕元に置いた。
優輔は私が用意したシャツとネクタイをつけて出勤するのだ。
夜、十一時過ぎ、優輔が帰ってきた。
「ただいま。先に寝ててよかったのに」
変わった様子はない。
やっぱり気づかなかったんだ。普段ポケットを使わない人だから。でも、それでいい。
優輔がお風呂に入っている間に、脱いであるシャツの胸ポケットに手を入れた。思った通りだ。
青いメモ用紙にはこう書かれていた。
『奥様へ。お返事ありがとうございました』
そう、私は今朝、花沢瑠美に返事を書き、優輔のシャツの胸ポケットに忍ばせたのだ。
『花沢瑠美様へ。はじめまして。宣戦布告ありがとうございます』と。