昨日、我が家にやってきたドラム式洗濯乾燥機。
浴室の横に置いたそれはダイヤモンドのように輝きながら私の目に映っていた。
この家の白い壁を守り続けてきた主婦へのご褒美。二度目の婚約指輪のよう。
「京子、毎日ご苦労さま。ありがとう」
十万円以上する高額な買い物だったのに優輔がそう言ってプレゼントしてくれたのだ。
最近、残業ばかりで、浮いた飲み代を貯めてくれていたらしい。
使い込んだ二層式の洗濯機が壊れたおかげで、私は『夫婦』という春風を纏う絆が深まったように感じた。
これからは残業で遅くなっても文句を言わずに待とう。
籠から洗濯物を取り、新品の洗濯機の中へ入れていく。